十九歳の政宗が睨んでいるのは、領地の拡大ではなく天下だった。
奥羽での小競り合いなどに一生を費やすのは真っ平で、天下を治めるところへ立ちたかったのだ。
政宗の奥羽平定への緒戦は、実に見事という他はなかった。
敵武将には内通により、
「天下平定へ赴く為、精鋭を育成しながら南下途中である。中央へ連れて行ける程の武将がいれば、天下を取り次第、一国を与えて乱世を平定してゆくつもりである。周辺にはもはや、内々でお味方を申し出ている者はたんとある。」
「天下平定へ赴く為、精鋭を育成しながら南下途中である。中央へ連れて行ける程の武将がいれば、天下を取り次第、一国を与えて乱世を平定してゆくつもりである。周辺にはもはや、内々でお味方を申し出ている者はたんとある。」
と知らせておき、断ればと問われれば
「一蹴りして押し通る。」
と返答した。
伊達勢は強かった。政宗は初陣いらい敗戦という敗戦を期していなかったのだ。
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